秋色の表現
フィルムの面白さのひとつに、色温度や長時間露光などによる色彩の表現があります。
コマーシャル写真の世界などでは、このカラーバランスの崩れはタブーとされていますが、こと風景写真に関して言えば、これを逆に利用して表現の幅を広げることができます。
この紅葉の写真も日没後、20秒ほどの露光時間で撮影をしています。実際の現場は薄暗く、これほどの派手さはありませんが、長時間露光での色かぶりや、色温度の影響などが手伝ってか、このような色彩となりました。
デジタルカメラもホワイトバランスを「太陽光」に設定していれば、ある程度は反応をしてくれますが、経験上フィルムほどの変化はありません。またデジタルであれば撮影後PCでの色調整は可能ですが、そこは想像の範疇の作業で、この色彩を導きだすのは容易なことではないでしょう。
同じ現場をフィルム、デジタル両方で撮影していくと、それぞれの絵づくりの違いが見えて、写真のまた違った面白さを発見できます。
デジタル写真=レタッチ写真のような認識もまだあるようですが、こうなってくると、フィルム、デジタル、どちらが現場色に忠実なのか、悩ましいところですね。まあ、先にも述べましたように、現場色に合わすだけが風景写真の表現ではありませんし…。今回の場合、私の好みは「フィルム」の方です。 |
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撮影場所:奈良県 吉野郡 天川村
北角
Mamiya 645 SUPER
Mamiya セコール 80mm F2.8 N
フジクローム・ベルビア100
C-PL・三脚使用 |
Canon EOS 5D(デジタルカメラ)
Canon EF28-70mm F2.8L
ホワイトバランス:太陽光
ピクチャースタイル:風景
C-PL・三脚使用 |
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